卓話①「司法書士業務の最前線と私の職業奉仕」

2025年7月18日の例会で山西会員に卓話を行っていただきました。

卓話では①自己紹介②司法書士業務③業界を取り巻く最近の動向について④司法書士の使命と職業奉仕についてと4項目お話しいただきました。

①自己紹介
山西会員は10年前に独立開業し、同時期に当クラブへ入会。
ご家族は奥様、高校1年生の長男、小学6年生の長女で家族例会にもお越しいただいたことがあります。

10年前の写真で、ご自身も見比べて変化を感じられておりました。

②司法書士の業務
司法書士は不動産登記や商業・法人登記を主な業務です。
『登記』と聞くと難しく感じられるかもしれませんが、これは財産や権利を守るための大切な手続きです。
似た名前の専門家として行政書士や土地家屋調査士がおられますが、それぞれ担当する業務は異なります。
 【行政書士】許認可手続きを役所や都道府県に申請する専門家
 【土地家屋調査士】測量や表題登記を担当する専門家
登記業務のほかにも裁判所に提出する書類の作成や簡易訴訟代理(140万円以下の訴額事案が対象)も行っております。
また近年、高齢化が進む日本において、相続や後見人に関する業務の重要性が高まっており、司法書士はこれらの複雑な手続きにも専門家として携っております。

③司法書士業界の最近の動向について
2024年4月1日より、相続登記の申請が義務化されました。
これは所有者が不明な土地の問題(空家問題や所有者不明土地問題)を防ぐために、法律が改正されたことによるものです。相続後3年以内に登記申請をする必要があるなど、義務を怠ると過料が課せられる可能性が有ります。
また相続対策として『家族信託』が新たな取組みとして注目を集めております。これは、ご家族と信託契約を結ぶことで、ご自身の財産を管理してもらう仕組みです、これにより、将来の認知症対策や相続対策をスムーズに行うことができます。

④司法書士の使命と職業奉仕
司法書士法には司法書士の使命規定があります。「法律事務の専門家として、国民の権利を擁護しもって自由かつ公正な社会の形成に寄与すること」を使命としています。
昨今では法律や社会の秩序、さらには国民の価値観が多様化し司法書士だけでは解決できない案件も増えており、弁護士・税理士・不動産会社などの関連業種、またロータリークラブの様々な職種の方々と相談連携しながらトラブル防止に努めたいと思っております。
最後に依頼者・相談者の多くは、一般市民です。専門職業を通して、思いやりの心をもって依頼者に接したいと思います。様々な事情・感情が渦巻く世界に身を置くものとして「思いやりの心」は非常に大切だと考えます。それが私にとっての職業奉仕の精神です。これからどのような時代が来るか分かりませんが、依頼者をお守りできるように誠実に業務をやっていけたらなと考えております。日本・世界が思いやりに溢れたものになりますように。

山西陽祐

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