卓話③『AIがもたらす最新の可能性』

2025年10月10日(金)の例会で第3回目の卓話を開催しました。
今回の卓話者は米山奨学生の董睿灝(ドンルィハォ)さんで、卓話のテーマは『AIがもたらす最新の可能性』です。

董さんプロフィール
氏名:董 睿灝(ドンルィハォ)
生年月日:1997年7月25日(28歳)
出身地:中国四川省
来日時期:2020年11月
好きなもの:ラーメン、お寿司、焼き鳥、日本酒
趣味:登山、海水浴、釣り、旅行
性格:明るく前向きに未知のことに挑戦する
学歴:関西大学大学院 総合情報学研究科 知識情報学専攻 外国人研究生卒業
同学 博士前期課程卒業 後期課程在学中



董さんは関西大学大学院で人工知能(AI)を研究しており、その研究テーマは『人工知能に基づいた植物病害システムの開発』であり、農業分野にAI技術を応用して食糧生産の安定供給の可能性に貢献することを目指していると述べられました。



董さんが所属する研究室では「情報の可視化とヒューマンインターフェース」を中心に研究が進められ、3次元CG技術や文化資本コンテンツ開発、画像解析、深層学習など幅広いプロジェクトが展開されております。
董さんの研究では特に農業分野の画像解析に焦点を当てており、その具体例として「カンキツグリーニング病(CG病)」の早期診断にAIを活用する試みが紹介されました。
CG病は世界の柑橘産業に深刻な被害をもたらす細菌感染症で、媒介虫によって広がり、果実の品質低下や樹木の枯死を引き起こします。
しかし有効な治療法は未だに存在せず、感染の拡大を防ぐには早期発見が不可欠となっております。
日本ではブラジルから大量に輸入されるオレンジ果汁への依存度が高く、もし国内で感染が拡大すれば食糧供給にも影響を及びかねない事態となります。
AI画像診断は、その迅速性と省力化により、この課題解決に大きく貢献できると述べられました。



続いては生成AIの発展に話題を移し、ChatGPTやClaudeのようなテキスト生成AI、DALL・E3やStable Diffusionに代表される画像生成AI、さらに動画や音声の生成AIについて概説を行っていただきました。
これらの技術はクリエイティブ領域だけでなく産業界にも広く応用されております。
その他は今後のマルチモーダルAIの発展や産業への本格統合が進む一方で、倫理や安全性、雇用、デジタル格差といった課題が顕在化することに対し警鐘を鳴らしました。
最後はAIと共存するためには利用者自身がAIリテラシーを高め、適切なガバナンス体制を整備することの重要性について述べていただき卓話を締めくくりました。








